生きる楽しみ

多趣味な人間というのは羨ましいようでいて、しかしそれは一つのことに熱心に打ち込めないということの裏返しなのではないかと思う。実際に自分自身のことを思い返してみれば、一つの趣味が長続きしたことなど殆ど無く、大抵のことは一過性というか、ある瞬間に突然熱が冷めてしまい何の感動も覚え無くなってしまう。
生きる楽しみはどこにあるんだろうか。趣味なのか、仕事なのか、恋愛なのか。
少なくとも仕事は概ね楽しくない。楽しいことがゼロだとは言わない程度に仕事は好きだし、こういうのも何だがクソマゾ野郎なので辛い思いをしながら仕事をするのも、言うほど嫌いではない。
恋愛は知らない。未だに異性に対して恋愛感情を覚えたことがないし、理解ができない。風俗は好きだが誰かと付き合いたいとかそういう感情は無い。セックスがしたいわけでもない。人の温もりも正直要らない。
趣味はよく判らない。紅茶はずっと好きだし酒も好きだが、これを趣味と言って良いのかよく判らない。アニメは殆ど見なくなった。ゲームなんて10年近くまともに遊んでいない。テレビは見ない。本も最近めっきり読まなくなった。漫画も買わなくなってしまった。音楽も10年くらい同じような音楽しか聴いていない。映画は昔から見る習慣がない。ドラマは嫌いだ。旅行は好きだが一人でどこかに行くのはそれほど好きではない。バイクは楽しいが家から出るのがそもそも億劫になりつつある。趣味が多いようで、殆ど無いのかもしれない。特に楽しみを見出すことが出来なくなってきた。
生きる楽しみがどこにあるのか未だに分からないけれど、少なくとも今、特に楽しいことが何も無いことは分かる。希望がない。将来への希望も、夢も、特にない。惰性で生きているだけになっている。昔から、明日死んでも後悔しないような生き方をしようと思って生きてきたけれど、何だろう、明日死んでも明後日死んでも後悔しかしないような気がしてきた。何をやり残しているんだろう。何をやれば満足できるんだろう。満足したら、そのまま死ぬんだろうか。分からない。

それなりにいい年齢になってきて、それなりの生活をするようになってきて、瞬間、瞬間を切り取ってみれば楽しい時間は沢山ある。でも、生きる楽しみが分からない。生きる希望が持てない。もういい歳にもなって、将来のビジョンが何一つ見えない。何もしたくない。

人生はままならねぇなぁこんちくしょう、ってやつですよ。